木曜午餐会のメンバーの皆さまと支援して下さっている方々へ

 ハワイではコロナの感染者が再び上昇傾向になってきました。本来なら、より規制の厳しい「Tier 2」に逆戻りしていなければなりませんが、ブランジャルディ・ホノルル市長とイゲ・ハワイ州知事はオアフ島の経済再開段階を、現状の「Tier 3」に今後4週間(5月5日まで)とどまることに合意しました。ブランジャルディ市長は、「Tier 3にとどまれたことは、私たちのビジネス、家族、コミュニティにとって大きな喜びです。この時点でTier 2に逆戻りするのは、人々の生計、仕事、精神的にも大きな影響を与えます。経済回復にも悪影響を及ぼしたと思います」と話しています。が、ローカルの人々の間からは危惧する声も大きくなってきています。そしてその観光業の復活ですが、イゲ州知事は4月20日、ハワイ諸島間の移動者に対して、ワクチンを接種した証明書の提示で、到着時の陰性検査の提示と自己隔離を免除する「ワクチン・パスポート・プログラム」を発表しました。5月11日からの導入になるこのプログラムは、

「ワクチン接種をしたことを提示すると、隣島に渡航の際、陰性証明書がない場合に求めら


れていた、到着後の自主隔離が免除」になるプログラムです。このプログラムを利用するときには、オンラインサイトに登録し、ワクチン接種済みを証明する、予防接種カードをアップロードしておく必要があります。

 またグリーン副知事は、最終的には太平洋間を横断する旅行者にも利用できるようにしたいと話しました。念頭にあるのは日本からの観光客でしょう。

 仮にハワイがワクチンの普及で感染者が減ってきたとしても、日本からの観光客受け入れについては大きな不安が残ります。公表されたデータによると日本は251万回で総人口に対するワクチン接種率はわずか0.67%(4月24日現在)、一回だけ受けたのを勘定してもわずか1.32%にとどまっています。ちなみにハワイは111万回で人口に対する接種率は30.9%で、一回だけを済ませて人を含めると48.3%とほぼ半数に達しました。この資料には70の国・地域の接種率データが示されていますが、最も接種が進んでいるのはイスラエルとブータンで、人口の6割以上が一回以上接種しています。先進7か国でみますと、イギリスが48.99%でトップ。アメリカ40.6%、ハンガリー36.32%、カナダ26.98%、ドイツ22.08%, イタリア19.47%、となっています。お隣の韓国は3.97%の52位で、日本はジンバブエ、チュニジアに続いて60位。日本の出遅れは他国と比較しても顕著です。残念ながら中国の統計は公表されていません。私の知り合いの病院経営者も「ワクチン配給に関する情報は一切ありません。一般の患者さんは診察していますが自分の病院はコロナ患者を受け入れてないので、そうなのでしょうが」と嘆いています。変異株によって今後も世界で感染者数が増えれば、ワクチン獲得競争はより一層激しくなると思います。感染者数が増加すれば、84日(7月24日開会式予定)足らずと迫った東京オリンピック・パラリンピックの開催に強い不安が残ります。政府は当初「6月末までに全国民に提供できるワクチン確保を目指す」としていたが、その目途は立っていません。日本でワクチンが普及するのは一体いつごろになるのでしょうか? そんな中。

 IOC(国際オリンピック委員会)が4月14日にビデオメッセージを公開し、「東京大会は確


実に開催される」と断言しました。IOCのコーツ調整委員長「大会は確実に開催される。私はこの大会が開かれ、もっとも安全な大会になると断言できる」。その上で、オリンピックの開催によって、「パンデミックに人類が勝利したことを示すことができる」と意義を強調しました。一方、日本の菅義偉首相も「ワクチンの普及がオリンピック・パラリンピック開催の前提ではない」と衆院本会議で答弁しています。要するに、「何が何でもオリンピックはやります」という強硬姿勢です。「緊急事態宣言」を出しても5月11日までに限定した気持ちの裏側にはやはりオリンピックがあるのでしょう、と私は勝手に思っています。2月の手紙の中でも書きましたがIOCのバッハ会長が4月21日の会見で「東京の緊急事態宣言と東京オリンピックは関係がない」と発言したのは、オリンピックの独占放映権をもつアメリカ最大のネットワークNBCに対して「(お金はすでに受け取り使ってしまったが)放映が出来なくなっても私たちのせいではない」との責任逃れではないか、とも。

 ところで、ワクチンを2回受けて安心かと言うとどうもそうではないようですね。ファイザー社は2回目を受けてから1年以内にもう一度ワクチン接種をするのが望ましい、と話しています。コロナ・ワクチンも、変異株の多様さにインフルエンザと同じような通常のワクチン接種に“格下げ”されたのでしょう。

 少しばかり頭を休ませましょう。面白い歴史の話をひとつ。

 古代ローマの上水道と公衆浴場

 人類は、川、湖、わき水のそばなど、きれいな水がすぐに得られるところに住んでいました。しかし、文明の発展につれて人口が集中する「都市」が発達すると、その水量では不十分となり、清浄な水を多量に供給する設備(上水道)が生まれました。上水道は郊外の湖や川の上流から、トンネルなどの水路をつくって市内まで導きました。最初に大がかりな上水道を敷いたのは、古代ローマ人です。上下水道が整備され、汚物を水で洗い流すトイレも作られました。驚くべきことに公衆トイレも作られていて、1600個もの便器が一ヵ所から発掘されています。紀元前3~2世紀、数多くの上水道が建設されました。数十キロメートルも離れたところからきれいな水を都市まで引く。おもに地下を水路にしましたが、石材やレンガでアーチ構造の水道橋もつくり、さらに水の透明さを保つため、水道本管に沿ってため池や


ろ過池を設けました。市内の分水施設に到達した水は、公衆浴場・邸宅・公共施設や庶民が水をくみにくる噴水(泉)などに配水されていました。

 ところがローマの滅亡とともに、上水道は大部分が破壊され、上水道も下水道も中世末期までの長いあいだ暗黒の状態を続けました。トイレも姿を消した。当時のキリスト教の教えでは、いかなる肉欲もできる限り制すべきと、肉体をさらす入浴は罪深いとなり、公衆浴場、自家風呂は消え失せた。衛生観念が無視されたのである。そうなると街はどうなってしまうのでしょうか。道路や広場は糞便で汚れ放題。ほんの間に合わせで片付けるだけとなったので地下にしみ込み、井戸を病原菌で汚染する結果になった。貴婦人たちの裾が広がったスカートは、どこでも用を足せるようにするための形である。17世紀はじめにつくられたハイヒールは、汚物のぬかるみでドレスの裾を汚さないために、考案されたもので、当時はかかとだけでなく爪先も高くなっていた。なかには全体が60センチメートルの高さのハイヒールまであったといいます。    

 また、二階や三階の窓から、しびん(寝室用便器)の中身が道路に捨てられるので、その汚物をよけるためにマントも必要になりました。この頭上から降る危険のため、紳士は淑女が道の真ん中を歩くようにエスコートする習慣ができたと考えられます。当時は服もあまり洗濯しなかったし、お風呂やシャワーもまったく利用しなかったため、体臭などをごまかすために、金持ちは香水を大量にふりかけていました。香水の発達の背景にはこんな事情があったのです。

糞便だらけの宮殿

 当時、便意を催せば、時、ところかまわず、排せつ行為が公然と行われた。17世紀フランス芸術を代表するベルサイユ宮殿。その初期建設工事にはトイレ用にも浴室用にも水道の設備がありませんでした。宮殿のなかで、ルイ14世や有名な王妃マリー・アントワネットなどが使用していたトイレは腰かけ式便器だ。おしりの部分に穴が空いている椅子型の便器で、汚物は下の受け皿にたまるようになっていました。王様用は、ビロード張りで金銀の刺繍付きの豪華なものでした。

 この時代、ベルサイユ宮殿には、王様や貴族、その召使いなど約4,000人が住んでいたと推定されていますが、腰かけ式便器はわずか274個しかなくあまりにも数が不足していました。このため、豪華絢爛な舞踏会のときには、清潔好きな人は携帯用便器(おまる)を持参しました。便器にたまった汚物は、召使いたちが庭に捨てていました。宮殿内の便器の中身も庭に捨てていたのに加え、近くに便器のない人は廊下や部屋の隅、庭の茂みで用を足しました。その結果、美しいことで有名な庭園も、糞便であふれ、ものすごい臭いが漂っていたらしい。この様子に宮殿の庭師が怒り、庭園に「立ち入り禁止」の札を立てました。はじめは無視されていましたが、ルイ14世が立て札を守るよう命令を出してから守られるようになりました。実はエチケットはフランス語で「立て札」の意味なのです。このエピソードからエチケットが現在のように「礼儀作法」を示すようになったといわれています。

(「世界史は化学でできている」という本からの抜粋です。著者:左巻健男・東京大学非常勤講師、元法政大学生命科学部環境応用化学科教授)

次は健康講座です。「健康になる水分補給、3つのポイント」

(1)こまめに補給する

「のどが渇いた~」と感じるのはすでに脱水が始まっている証拠。のどの渇きを感じる前にこまめに飲むのがおすすめです。暑い時期に限らず、冬も乾燥して体の水分が出ていきやすい環境下にあります。汗をかいていなくてもこまめに水分補給することが重要です。水分をとる習慣がない方は、飲み物を常に持ち歩いたり目につくところに置いたりして、こまめに補給できる環境を整えてみて下さい。また、一気にたくさん飲んでしまうと腎臓などを酷使してしまいます。飲む量は1回150?250ml、コップ1杯程度を目安にしてみてください。1日6?7回に分けて飲むのがおすすめです。特に起床時、入浴前後、寝る前は意識して飲むようにしましょう。

2)コーヒー、栄養ドリンク、アルコールは控えめに

 カフェインやアルコールには利尿作用があるので水分補給には適していません。例えば、ビールを10本飲んだ場合、排泄量はビール11本分相当になるといわれています。そのため、晩酌でたくさん飲み過ぎてしまうと、夜間の脱水症状の原因になってしまうので注意しましょう。「1日1.5L」の水分は、水や炭酸水、ノンカフェインのお茶などでカウントしてください。カフェインには眠気覚ましや集中力を高めたりする効果があるので、コーヒーや栄養ドリンクはここぞという時に活用して、普段は水やノンカフェインのお茶を選ぶと体の負担も軽減されます。お酒やコーヒーを飲むときは、一緒にお水も飲むようにすると良いでしょう。

(3)冷やし過ぎない

 氷たっぷりのキンキンに冷えた水を飲むと血管が収縮してしまうので、体に負担がかかります。夏でも氷は控えめにして、常温または温かい飲み物を意識してとるようにすると体への吸収率もUPします。また、食事に汁物を加えるのも水分摂取量を増やすことにつながるので、インスタントスープやカップの味噌汁なども活用していきましょう。こまめな水分補給でより健康な体をつくっていきましょう。(※腎臓や心臓等の疾患の治療中の方は、水分摂取量は主治医の指示に従ってください。)

コロナ禍で幾つもの本を読んでいる中で「これは」と思うような言葉に遭遇しました。

「我以外皆我師也(われ いがい みな わが しなり)」小説『宮本武蔵』で知られる吉川英治が好んで使ったとか。そう、自分が出会う人や見聞きする出来事は、こっちがその気になれば必ず学びを与えてくれるのです。メンバーの中にも「聞いて習う、見て習う」「人の癖見て、我が癖直せ」という言葉を信条に木曜午餐会に参加されている方もいます。大変尊敬しています。早く午餐会で再会したいと思っています。「希望は、あるか無いかじゃなくて、持つか持たないかなの」。確かに言われればその通りです。世界的に有名な投資家のウォーレン・バフェット氏は、幸福と成功について、こんなことを言っています。「成功とは良いと思うものを得ること、幸福とは得るものを良いと思うこと」。

 「極上の別れの条件」と題する本が出版されました。ホノルルのホスピスでグリーフ・ケ


アを担当していた臨床心理学博士の森田亜紀さんが執筆しました。数年前に木曜午餐会でも講演していただいたので、覚えている方もいるだろうと思います。「人は人生を惜しみ、別れを惜しむ作業を通じて、肉体、心、魂の旅立ちを整える。アメリカで終末期にある患者と家族の別れの準備に寄り添ってきた森田さんの、人がどう生きるか、どう死ぬのかの答えを模索する」一冊です。日本では5月15日からの発売。個人的には「死ぬことへの恐怖感を持たなくても良くなったかな」と思わせるような読みやすい貴重な一冊でした。関心がある方は、新名までご連絡ください。6月には入手可能かと思います。

 さて、もう一つ。元会長でもあった山谷敏夫さんの「Mahalo画集」は皆さんに喜んでいただいたと思います。手元にまだ9冊残っています。眠らせておくには勿体ない素晴らしい画集です。もし知り合いの方にもお分けしたいという人がいましたら、これも新名までご連絡ください。

バイデン大統領は7月4日の「独立記念日」をノーマルライフに戻れる日にできるようワクチン接種を推進しています。

                           木曜午餐会役員一同

            



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