講師:戸島 良三師(本派本願寺ハワイ別院元開教師)
戸島先生、本日はありがとうございました。突然の要請であるにもかかわらず、面白いお話を聞かせて頂きました。万葉集が先生の大学を卒業するための卒論のテーマであるなどとは全く知りませんでした。道理で、私達がとっつき難いと思っている読み方にしても、すらすらと平易に解釈できるのですね。そして万葉集の中からの歌の抜粋がまた面白いですね。私にとってもそうでしたが、万葉集を初めての方にもとっても、興味深くお話を聞かせて頂いたと思います。先生の講演の時に万葉集の本を持参されているメンバーの方もいましたが、別の人がその本を借りて「今日のところをもう一度読み直してみたい。次の講演が楽しみになりました」と話して帰られました。
奈良時代の終わりにしては、当時漢字しかなかった時代でしょうが、「身分の低い人々」がどのようにして漢字を覚えながら歌まで作ったのか不思議でした。4500首というのは、現代でも半端な数ではありません。どれだけの年数をかけて歌を選んでいったのでしょうか。「相聞歌」も結構、直截な言い方で相手に恋を語りかけるものですね。現代の私達よりももっと感情の表現が豊かであると同時にあからさまですね。本当に面白く聞かせて頂きました。それも先生の解説付きというのが、また一味も二味も違った万葉集になっているようですね。防人の歌も、考えれば「聞け、わだつみの声」みたいなものですね。編集者と目されている大伴家持の歌が、人生を多く歌っているというのも印象的でした。人の心は何千年経っても進歩もしなければ変わりもしないのですね。本当に楽しい講演でした。次回が楽しみです。ありがとうございました。
木曜午餐会会長 新名 瑛
万葉集
成立-奈良時代の終わり、784年ごろに完成か
巻数ー20巻 約4500首
万葉集に描かれている時代ー飛鳥、奈良時代のおよそ200年
詠み人、作者ー上流(貴族)階級、過半数は作者不明
撰者ー不明ですが大伴家持か
歌の形と構成ー
長歌ー575757--577
大和には 群れ山あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原は
煙たち立つ 海原は 鴎立ち立つ うまし國そ 蜻蛉島(あきつしま) 大和の国は
(舒明天皇)
短歌ー57577
旋頭歌ー577577(片歌)--記紀歌謡
構成としては
雑歌、相聞歌、挽歌、仏足跡の歌、防人の歌などに分類される
防人の歌
父母が 頭かきなで 幸あれて、言うひし言葉ぜ 忘れかねつる
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