英語が「話せない、聞けない」が故に
鳴らない。繋がらない。役に立たない。「いい加減に変えたら」と言われ続けてからも7~8年使っていたスマホ(スマートフォーン)の画面が、とうとうにっちもさっちも動かなくなった。スマホが無いと不便なので「よしっ!」と意を決し、我が相棒と近くのスーパーマーケット「Safeway」の中にある電話会社を訪問した。
女性の担当者は、動かなくなったスマホの中を開け、もう使えないというジェスチャーをした後、すごい早口で「??~???~」と話しだした。あまりの速さに「英語が話せないのでゆっくり話してくれないか」を何度お願いしても、喋り始めはゆっくりだがすぐ元の速さになってしまい、彼女も困って他のスタッフの手を借りようとしていたようだが、他のスタッフも接客中で、入り口の外にも待つ人の列ができていた。
わずかに理解できたことは、前の電話番号と情報をそのまま使うには、前の電話のアカウントナンバーとPinナンバーが必要とか。私としては7~8年前のを覚えているはずも無く「分からない」と言うと、彼が横から手助け?らしきことを言ってくれた。「私のスマホの目的は、性能より公衆電話並みの着発信とテキストメール、インターナショナル通話ができれば十分なので、この際だから新しい番号にしたらいいじゃないか」との事で、すべてを一新することにした。
相棒はアイホーン(iPhone)を使っていたので、初心者並みで見やすく手ごろな価格のスマホを選んでくれ、新番号での私が必要な機能の使い方だけを質問してくれ、長い付け爪の彼女は、器用に手早く使えるように設定してくれたようだった。
彼女は、支払った料金のレシピを見せながら、相変わらずの早口で一方的に説明し、私たちも説明の内容が殆どわからないままに新番号になったスマホを受け取った。壊れたスマホを持ち帰るかというジャスチャーに、彼は処分してくれと彼女に。
難儀をしながらも「なんとか無事に1日目は終わった」と思っていました。
問題はそれほど簡単ではなかった。2日目、彼には電話がつながるのだが、彼からのコールには全く反応しない。「あれっ?おかしいな?」 彼の方でも操作してみたがつながらずで「慣れようとしてあちこち触り過ぎたからかな~」と心配しながら、電話会社に問い合わせても英語が聞き取れないし「まあ、昨日の電話を買ったところに行くだけ行ってみよう。操作の事だけだから何とかなるだろう」と1人で階下に降りて行った。すると3階に住んでいる方で、お会いすれば挨拶程度だけだったA子さんとばったり玄関でお会いした。
何気なく「実はこういう次第で新しく電話を変えたのですが」といきさつを話すと、気の優しい彼女は「リタイアーして時間を持て余しているし、私もその店に行ってるのよ。私が聞いてあげる」との渡りに船の嬉しいお言葉。
早速書類を持ち一緒に出掛けると、今度は別の担当の女性が応対に。私の書類を見ながらA子さんに早口の英語で説明している。A子さんは語調が強くなったり柔らかくなったり、二人で時々笑い合いながらジャスチャーたっぷりと話をしている。私は哀しいかな、名詞が時々わかるだけ、今更悔やんでも仕方ないと開き直る。
A子さんの通訳によると、昨日の担当女性曰く、「全く私達の英語が理解できず、一時的な観光客ですぐ電話番号も変えるだろうと判断、テンポラリーの番号を与えたとの事」。A子さん曰く「だから叱ったのよ、言うことが分からなかったら、英語のわかる人と出直すようにと何故言わなかったか」。あげく、私もこっぴどくお小言を頂戴した。「何故英語の話せる人と来なかったか」「これからは、遊んでいる私に言うように」。心強く嬉しい言葉に感謝しつつ、支払い方と使用上での質問事項のサポートなどをして頂いて、一件落着したのであった。
今までは、会話のセンテンスが続かなくても、見知らぬ人同士の距離を縮めるのに効果的なスモール・トークなど、臆することなく自分から話しては楽しんでいた。しかし、殆どが日本語で済んでしまう環境の中で「聞けない、話せない」状況にすっかり甘え自助努力を怠っていた自分を反省することしきり。今回を機に、日頃のヒアリング力の欠如とばかりYouTubeのローカルニュースを聞き始め、無料英会話などにも取り組み始めたのだが、何時の日か「為せばなる」の兆しが表れてくることを、ただただ切に願う今日この頃です。
K/Kazuko
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