会員のつぶやき

陽射しの有難さ

 ハワイに住んでいますと毎日の日差しが当たり前で、痛いほど肌を刺す日々が続こうものなら「日焼けどころか火傷になってしまうよ。もう少し照らす時間を短くして下さい」とか、人間は自分の都合で勝手なことばかり考えがちです。かと言って、1日でもお日様を浴びないと忘れ物をしたような落ち着かない気分にさせられるのです。こんな気持ちを抱いたことはありませんか。

 2021年12月5日、日曜日の夜から降り始めた激雨と強風が7日の午後まで続いたのは記憶に新しく、雨季のシーズンとはいえ3日近く連続で降り続いたのも珍しい。ハワイ州の各地で、空港の停電、強風でオアフ島の北のはずれにあるワイメア・ベイ近くの幹線道路沿いの木が倒れたりし、空の便も乱れがちになり、25便から30便が欠航となった。

 6日夜には電力中継個所の浸水で、ホノルルの中心部、チャイナタウン、アラモアナ周辺、パンチボール周辺の電力の停止、ハワイ州議事堂や連邦裁判所なども全て停電になった。高級住宅地のあるカハラモール付近も洪水の被害を受け、回復の見通しが立っていないとのことだった。7日は幾つかの小学校は大木が倒れたり、洪水だったり、停電のため休校を余儀なくされた。

 デービット・イゲ州知事は全土に非常事態宣言を発令。複数の個所の下水道から汚水が流出したと推定され、その地域に入らないように勧告までも発令された。海水も山から流れ込んだ雨水や汚水などで茶色になるブラウン・ウォーターにも要注意の勧告が出されていた。

 あちこちで被害が出ていたとは露知らず、のんきな私は月曜にレストランの予約をしてあったので豪雨の中、友達と二人でランチを。店を出る頃に雨は上がって曇り空。我がアパートまで送って頂いてエントランスのドアを開けた途端に、猛烈な横殴りの雨が突然に。白煙に包まれた如く真っ白で何も見えない大降りの雨は、小降りになることも無く終日降り続いた。

 7日(火)の午後、やっと雨がやみ雲の切れ目から太陽が弱々しいがほんのりと顔を出し始めた。山の稜線もくっきりと見えだし、空中ではバドやハトの喜びの踊りが始まりだした。少しずつ日差しが増えると、萎縮していた細胞の全てが膨らんでくる。「わあ~、太陽だ、お日様だ~、こんにちわ~」と口ずさんでは沸々と喜びが体全体に湧きあがってきた。サンセットを見がてらカピオラニ公園に行ったら、公園の一部が池になりそこに「逆さ富士」ならぬ「逆さダイヤモンドヘッド」がくっきりと映っているではありませんか。池の面が夕方の日差しでキラキラ輝き、カモたちも喜んで泳いでいる天と地の恩恵に、しばらく呆然と見とれてしまいました。

 日頃太陽の日差しを何気なく浴びていても、今回ほど太陽の有難さを感じたことはありませんでした。良く知られているように、太陽光の紫外線B波に皮膚がさらされると体内でビタミンDが生産されるらしいですね。しかもこのビタミンDは、骨の健康のため重要で、体内からのカルシウムの排出を防ぐだけでなく、高齢者の転倒を防ぐ効果もあるそうです。それだけでなく、記憶力や思考力の機能維持、免疫力アップに欠かせないとも言われているとか。考え方によっては、我々は太陽の恵みによって生かされている命で、その代表的な恩恵がビタミンDと言えるかもしれないんですね。

 体と心の健康に役立つ「ビバ、太陽の光よ!」ビタミンDを体内で維持するためにも、柔らかな日差しを毎日降り注いでください、と今回の大雨で日差しの大切さをつくづく感じた数日間でした。

                      K/Kazuko

 

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