会長の独り言

急増する他州のナンバー・プレート

 英語の授業のない日は、朝早くからウオーキングに出かけます。ワイキキに住んでいますので、世界一ラウンド数が多いとギネス・ブックにも記録されたアラワイゴルフコースの外側をぐるりと一周します。コース沿いに流れているアラワイ運河のプロムナードを歩くと、この数か月間でテキサス、カリフォルニア、フロリダ、ワシントンなど他州のナンバー・プレートが急増していることに気が付きます。フリー・ウエーを走っていても他州のナンバーを見ることはすでに日常茶飯事になってきています。

 


ハワイ州の車のナンバー・プレートは大まかに言って3種類。1991年以前はカメハメハ戦士像をイメージしたものでしたが、91年以降は虹の街・ホノルルと言われるほどハワイは虹が多いので、白地に虹をデザインしたのが主流ですが、ハワイの州鳥・ネネを表したものとか、ハワイ島の火山キラウエアを描いたものなどもあります。虹のプレートに慣れているせいか、他の州の例えば橙色のオレンジ(フロリダ州)だとか、白地に質素に赤い文字でCalifornia、あるいは雪をかぶったマウント・レニアを背景にしているWashington州、黄色の背景に赤い文字でNew Mexico州などの珍しいプレートを見つけるとすぐに写真を撮りたくなってしまいます。そしてそれがこのところ急速に増えてきているのです。

ハワイ州は全米50州の中でも二番目に感染者、死者の少ない州でしたから、「安全な州に移住したい」気持ちもよく分かります。2022年に入ってからは、珍しくもルイジアナ州、ノースダコタ州、ミネソタ州、ニューヨーク州などほとんどの州のプレートを見かけるようになりました。パンデミックになってからハワイはどこもかしこも車不足で、レンタカーをしようものなら、1日で800ドル前後もぼったくられることもあって、それな本土から船で移送したほうが(カリフォルニアからハワイまでの車輸送の運賃は1500ドル前後と聞いています)割安感があるのかも知れません。

 ハワイ州の法律では他州から転入してきた場合、到着日から30日以内にハワイ州のナンバー・プレートに交換する必要があります。従って、他州のプレートを発見するたびに「ハワイに到着してまだ30日も経っていないのか」と少しばかり警戒していましたが、ハワイ運輸交通局もこのコロナ・パンデミックのなかで、スタッフ不足とソーシャル・ディスタンス(人と人との間隔を2メートル空ける)をキープしなければならないので、住民の免許証の更新もままならない状況で、他州からの転入手続きまではとても手が回らないようです。コロナ感染者が出て以来他州からどれくらいハワイ州に車が移動してきたかは統計が出ていませんが、実感としてはかなり多くの他州からの車がハワイに移動してきていることは間違いありません。ハワイのお巡りさんも実は恐ろしいほどの人員不足で、犯罪も増えて交通の取り締まりに回せるスタッフには余裕がなさそうです。

 つい先日はなんとも2019年3月にセーフティ・チェックの期限が切れているバージニア州からのレクサスが目の前を走っていました。セーフティ・チェックが切れたまま、3年足らずが過ぎているということは車両保険も掛けられていないということでしょうから、事故を起こしたりすると大変な目に遭いかねません。おまけに米本土と違ってオアフ島は小さな島ですからスピードもそれほど出しませんし、フリーウエイの制限速度も米本土に比べ遅く設定されています。が、米本土のプレートを付けた車のスピードは尋常ではありません。一方通行の標識も無視して狭い住宅街にもどんどん侵入してきます。心の中で「困ったもんだな」と思いながらも、観光客なら仕方がないか、と諦めています。それでも「違法なままで平気で車を乗り回している、ということはー(保険もないかも)」。ついつい想像は悪い方向に進んでいきます。「あの車から少し離れて行こうよ」と連れ合いは警戒感を露わにしていました。

                         木曜午餐会会長  新名 瑛


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