ホノルルがついに100万都市に
新型コロナによるパンデミックは別にして、生活実感としてここ数年「以前に比べ急速に車の数が増えたな」とか「高級コンドだけでなくこんなに住宅開発して誰が住むのだろう」と疑問に思っていた謎が少しだけ解けました。人口が増えていたのです。ハワイ州の州都・ホノルルのあるオアフ島の人口は歴史上初めて100万人を突破しました。
ちなみにオアフ島の人口は101万6,508人で、2010年に比べ6.6%のアップでした。物価はニューヨーク並みに高いにもかかわらず、給料は全米でも下位グループに属するほど低いので、警察官はじめ多くの人々がラスベガスとかシアトルなどに引っ越していく話をよく聞いていたので、減っているどころか逆に大幅に増えていると知って驚きました。
続いてハワイ島の20万629人で8.4%の増加。マウイ島が16万4,754人で6.4%増、そしてカウアイ島が7万3,298人で9.3%も人口が増えました。カウアイ島はFacebookの創業者マーク・ズッカ―バーグ氏が2014年に広大な敷地を購入して大邸宅をエンジョイしているように白人の人気のある場所なようです。エルビス・プレスリー主演の映画「ブルー・ハワイ」の舞台となったぐらいで、アジア人にはなぜか人気がありません。
すべては最近発表された2020年の国勢調査からの数字ですが、ハワイの人口は10年前に比べて9万4,970人増えて総計145万5,271人ということになります。どこの島でも人が増えているのですが、ハワイの出生率が特別いいわけでもありませんので、どこからか移住先としてハワイが選ばれているようです。どこから移住してきた人が多いのか、という分析は残念ながらまだ出来ていません。米本土と大きく違う点は、人種的にはアジア系が圧倒的に多く全体の36.5%。白人は次第に減る傾向で21.6%となっています。
アメリカ全体で見ても白人の人口は10年前の63.7%から57.8%にまで落ち込んできています。特にカリフォルニアなどでは白人が35%前後に落ち込んできているのに対し、ヒスパニック系の人口が40%近くにまで増えてマジョリティーになりました。
話をハワイに戻しましょう。人種の話を続けるならば、白人が多く占める島はハワイ島。人口の32.2%が白人です。次いでマウイ島31.5%。そしてカウアイ島30. 3%という具合になりますが、ホノルルに限って言いますと42.2%がアジア系で、多民族系が19.5%。そして白人が17.3%と、「白人の姿を見ることは軍人さんと観光客以外には比較的少ないアメリカ」ということになります。
私がここであえて人種の話をしているのは、差別的な問題を取り上げたいわけではなくそれぞれの土地(島)における文化的な発展に関係することをお話したいだけです。例えば、ホノルルに来ればアジアン料理の店は沢山ありますよ。ハワイ島に行けばパーカー・ランチ(牧場)のステーキ肉などアメリカン料理は堪能できますね。ホノルルに来れば見たような顔によく出くわすかもしれないけど、カウアイ島とかマウイ島に行けばアジア系の人より「アメリカ」をもっと感じられるかもしれない、と言った程度の話です。
またハワイは他の州と比べて最も何世代にもわたる混血が一番多い州(21.8%)でもあります。「ジャパニーズ・アメリカン」という単純な混血ではなく、「ジャパニーズ、チャイニーズ・ポルトギーズ・アメリカン」とか「フィリピ―ノ・チャイニース・ジャーマン・アメリカン」という幾つもの人種が混合している人口が全米一となっています。国勢調査の際に「国籍はアメリカ人だけど自分は一体何人に属するんだろう」と迷う人々もいます。「multiracial」という項目も用意されていますのでそこに印をつけるのが適当なようです。個人的にはこのようなmultiracialに属する人間であったらどんな文化的な背景になるのか、多くの外国語を話せるようになっていたかもと感じつつ羨ましく思ったりもしています。私は多国籍の人々が暮らすハワイが好きです。
0 件のコメント:
コメントを投稿