つい先日に、ハワイでの「勢いみせる韓国パワー」を紹介しましたが、今度はオアフ島北西部にあるマカハ・ヴァレー・カントリー・クラブが韓国の会社に$20.7ミリオンの値段で落札されました。
ここは1964年、ハワイで初めてのコンドミニアム「イリカイ」を手掛けた中国人のチン・ホー氏が開発したゴルフ・コースのひとつで、その後、日本のバブル期には千葉県の名門・習志野カントリーなどを運営する日東興業が買収。通称「マカハ・イースト」と呼ばれ、日本から来た支配人の人柄のせいもあって長年ローカルの日本人にとって最も人気のあるコースの一つとなっていました。私も向かいのANA(全日空)がオーナーだった「マカハ・ウエスト」と共によく通っていたものでした。でも、プレーを終えた後の食事は「イースト」の方が圧倒的に美味しかった。 今回、落札した韓国のKH Groupは1975年、電子事業を営む会社として設立、1万人の従業員を抱える大企業に急成長し、今では本業以外にも放送、溶かした非鉄金属の合金を使って高い寸法精度の鋳物を作るダイカスト事業、建設・不動産開発事業にまで進出しています。2019年にはホテルのグランド・ハイアット・ソウルを買収し、また2021年には平昌オリンピックの会場ともなったアルペンシア・スキー・リゾートも手に入れるなど積極的な投資を重ねているようです。
今から思えば、ワイキキから車で1時間以上もかかり「実に遠い場所」でしたが、当時はLPGAの大会を開催してきたコオリナもカポレイも、コーラル・クリークもロイヤル・クニアも、そしてプリンス・ゴルフコースもなく、オアフ島西側でパールカントリーの次のゴルフ場といえばマカハでした。
ところがその後10年の間に新しいゴルフ場が次々と誕生したばかりか、バブルもはじけて日東興業もついには倒産。素敵な支配人もいなくなったので「マカハ・イースト」ともお別れでした。
つい10年程前にカナダに本社のある中国系のパシフィック・リンクスという会社がハワイのゴルフ・コースを次々と買収しているというニュースが入ってきました。日本では中国人の「爆買い」がニュースになっていたころです。この「マカハ・ウエスト」もいつの間にかオーナーがパシフィック・リンクスに変わり、3年前にはビッグ・ニュースとして、何とゴルフ界の寵児であるタイガーウッズの設計による新しいデザインコースを含め高級住宅、ホテルなどの複合リゾート開発計画が発表されました。
記者会見によると、中国ではゴルファーが急激に増加している上に、海外旅行でもハワイへの人気が高くそれをターゲットにしている、という話でした。私の友人でもある地元のデベロッパーと組みながらワイアナエ・マカハ地区を“第二のワイキキ”にすべく各方面とも調整を続けているうちに、この会社も資金難で破産申請。そして物件が競売に。
「へえー」と驚いていると、いつのまにか、コロナ・パンデミックの2020年5月、カカアコ地区ににオープンしたばかりの韓国系スーパー「H Mart」が、この7月にはパールシティ・ショッピングセンターに2号店をオープンするというニュースが飛び込んできました。すごいですね。いつまでこの韓国パワーは続くのでしょうか。
(左の写真はホノルルのケアウモク通りに建設中のコンドミニアムの完成写真です)
木曜午餐会会長 新名 瑛
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