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 「夜の音」

 海に近い距離に寝起きしているので、海鳴り(らしき音)が聞こえる夜もあれば、木の葉一枚も揺れない静かな夜もある。

  騒がしい夜は、遠くにサイレンが鳴り、それと競うかのように斉唱する近所の犬が吠え出し、いつの間にかヘリコプターが旋回し出すので、海で事故が起きたことを知る。

  物音一つしない夜にはどういうわけか音を探す。静か過ぎると耳が尖ってきて、寝付けない夜となる。ジンジンとする内耳。耳の中に心臓があるかのようだ。そしていつしか音を拾うのだけど、それは、内耳の細胞が、あまりの静かさに耐えられなくなって、自ら動き出すらしい。物の本によると、「ダンス細胞」と呼ぶとあった。

  じっとしていられなくなって踊り出しちゃうなんて、沈黙が苦手という私のような細胞があることを知った。

                                  リリコイ


「ダンス細胞」とは、音に合わせて伸縮し振動を増幅させる細胞のことで、正式名は「外有毛細胞」のこと。そしてこの細胞は、音が入ってきた時にすぐに動けるように、いつも僅かに動いてスタンバイしている。その音が、実は「しーん」の正体だと考えられている。(厚生労働省の「e‐ヘルスネット」より)

有毛細胞(ゆうもうさいぼう)

  内耳の内部で、音の振動を電気信号に変えて脳に伝える役割をしている。加齢や騒音などの影響で傷つき、壊れてしまうと音を感じ取りにくくなる。音は、外耳から中耳まで空気の振動として伝わってきて、内耳の「蝸牛(かぎゅう)」という、かたつむりのような螺旋(らせん)状をした器官へ入ります。このとき、音を感受するのが蝸牛内部にある「有毛細胞」という細胞です。有毛細胞は、片耳に約15,000個並んでいて、その名の通り「感覚毛」という細い毛のような束をもっています。

 蝸牛に音の振動が伝わると、感覚毛が揺れて興奮し、音を電気信号へと変換します。これが聴神経を経て脳に到達すると、音が聞こえるのです。そのため、有毛細胞が加齢や騒音の影響などで傷つき、壊れてしまうと、音を感じ取りにくくなり、難聴を引き起こします。一旦壊れてしまった有毛細胞は、元には戻りません。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/sensory-organ/ys-01.html

 

                               

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