会長の独り言

 帰ろかな、帰るのよそうかな?

 ハワイに住んで30数年の月日が経ちました。2019年の暮れに始まったコロナ禍のせいで帰省もままならなかったので、4年ぶりにこの7月初旬から8月末まで2か月間に渡り、日本とタイ、カンボジアなどを回ってきました。

 第一印象は、日本の町のどこへ行っても清潔であること、仕事での職人気質が生きていることへの喜びでした。駅、デパートなどの公衆トイレの清潔・素晴らしさはまさに感動ものでした。居酒屋での食事が美味しい上に、円安のせいもあってとっても安く感じられました。電車や地下鉄、そして長距離バス、JRにしても時間が正確。日本の素晴らしさを再認識させられました。暑かったせいかホームレスにも出会いませんでした。これでは外国人が押し寄せても無理はないだろうと、オーバーツーリズムを心配しながらも、外国人の心情が理解できます。

 タイのバンコックでも2週間足らず滞在していました。数年前までは毎年のように訪れていましたが、久々の今回は「いつの間にか日本より物価が高くなってるのでは?」と感じる場面にしばしば出くわしました。日本からの輸入品であればそれは当然だとしても、スター・バックスのコーヒーにしてもマクドナルドのハンバーガー、コーヒーにしても日本のそれよりも高い。ハンバーガーのお肉までアメリカから輸入しているとは思えない。地元で調達していると思いますが、要するに全体の生活水準が日本に比べて上がり方が早いのだろう、と思えました。

 「失われた30年」と言われる1990年初期の日本のバブル崩壊以降から変わらない給与水準、デフレ物価が続いているうちに、いつのまにか世界から取り残され「ジャパン・アズ・ナンバーワン」っていつ誰が言ったの、と忘れてしまうくらい、日本は外国人にとって「優しく、美しく、そして安い国」になってしまったのかも知れません。

 ドル高・円安のお陰で、私も生まれて初めて「お金持ちの気分」を味わわせて頂きました。経済学者ではありませんから、この傾向がいつまで続くか分かりませんが、少ない知識で勝手に推測すると、これから近い将来に日本が急速に国力をつけて世界の中で「円が最も安心できる通貨」となる日は、残念ながら私が生きている間には実現しないのではないかと思うようになっています。ここ数年のノーベル賞受賞者を見るにつけ、元は日本人ながらも日本の学窓では十分な研究も出来ないのかアメリカ国籍に変わっていたり、イギリス国籍だったりして、もはや日本国籍ではないにもかかわらず「日本人が受賞した」と官民マスコミ含めて大騒ぎするのにはいつも違和感が残ります。


 このところ、ハワイから日本に帰国する在留日本人が顕著に増えています。ハワイに戻ってからはショッピングや外食するのが怖いくらいです。一昔前までは「老後はハワイで」という言葉もありましたが、今の時代、老後をゆっくりハワイで暮らせる人々は大金持ちか、絶対的に健康に自信のある人たちだけではないでしょうか。ちなみに私はどちらでもありません。ならば老後をどうするのか?と言っても後期高齢者ですからすでに十分老後ですが。

 日本へ「帰ろかな、帰るの止そうかな」北島三郎さんの歌が口をついて出てくるこの頃です。

                    木曜午餐会会長 新名 瑛


2 件のコメント:

  1. 新名さんにハワイを去られてしまっては寂しい限りですが、日本に行くと、「清潔、丁寧、美味しい、時間に正確」を実感しますね。
    特に私など持病がありますから、アメリカの医療費と日本のそれを比較すると、日本に軍配があがります。
    でも、やはりまだ帰らないで~と声を大にして言いますよ~

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    1. 嬉しいお言葉ですね。人はどこでも生きていけますが。迷い道にいつもいるみたいです。

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