骨貯金~2024年の抱負
辰年の1年が日本では思いがけない天災と人為事故で幕を開けました。被災された方々や亡くなった方々に、言葉の申しようも無いほど心が痛み入ります。その悲惨な状況の中で、数日経っての生存者の明るいニュースにともしびが灯った気がします。
しかも、殆ど80~90歳代の高齢者の方々ばかり。勿論、運が良かったとも言えますが、それだけでは留まらない強靭な生命力があったのも大きな要因かもしれないと推測しました。海と山を背にした、決して甘くない生活環境の中で、太陽の下で農業や家事をこなし、海の物や山の物の骨の生育に欠かせない食生活を自然に食していたからこその生命力だったのではないかと思いました。
能登地震のニュースに一喜一憂しながら、私はこの1年を健康貯金(特に骨の貯金)をしようと心に決めました。もし「今さら80歳過ぎにもなって」とか、「歩いたりジムに通ったりして運動はしているし、骨密度の検査もしているし、まだまだ大丈夫」と過信している方がいらしたら、ちょっと耳を貸して下さい。
日本人が特に寝たきりになる原因の第3番目が、骨粗鬆症による骨折からだそうです(脳卒中、老衰に次ぐ)。健康ブームで健康に関心ある方々は、定期的に骨粗鬆症の検査を受けていらっしゃると思います。それでも実は、数ヶ月ぶりに80歳代の友達に電話したら、2階の階段からもろに仰向けになって落ちて3カ月の入院。「猫の寝床の上に落ちたから背中のショックが軽かったものの骨盤を打って杖なしでは歩けなくなってしまったのよ。骨粗鬆症の検査をしていても骨がもろくなっていたんですって」と聞かされたのです。
それだけでなく、歩いている途中つまずいて転んだら足首と手首を骨折したとか、室内でスリッパで躓いて骨折とか、いろいろな話を聞かされていますが、皆さんいずれも骨粗鬆の検査をなさっていました。これだけ予防(?)をしてる筈なのに一体どうしてなのでしょう。
骨は固いので一度作られると変化しないように思いますが、体の細胞と同じで、古い骨を壊し、新しい骨を作る新陳代謝(骨代謝)を繰り返しています。しかし、カルシウムの接種が不足してくると、骨を作る量よりも壊す量の方が多くなり骨がスカスカになってしまいます。さらに、骨はカルシウムの巨大な貯蔵庫でありカルシウムの不足が続くと、貯金を切り崩すようにカルシウム量が減っていくのだそうです。しかもカルシウムは体に吸収されにくい栄養素であるため、吸収を助けるビタミンDを一緒にとり、規則正しい食事、運動、日光浴などでカルシウムの吸収を良くしていくらしいです。
骨粗鬆症というと、一般に、更年期を迎えて閉経した高齢者の女性に多い病気という印象が強いですが、若い人でも起きる事があり、男女を問わず、幼少期からの予防が何より大事と言われています。なぜなら、骨量は20歳くらいまで増加し、成人期にピークを迎え、中高年期は次第に減っていくからです。ですから、若い時期に骨量を最大に高くしておけば、骨の蓄えに余裕ができ、更年期になっての骨のダメージが少なくて済む図式になっているようです。
カルシウムは骨や歯の健康を維持するだけでなく、筋肉の収縮や血液の凝固など体内に多くの生理的なプロセスにも関与して、心を支える脳や神経、ホルモンなど食事によって作られ機能しているらしいです。健康に関する専門誌や、専門家が骨粗鬆症ならないためのアドバイスや具体的な食べ物など述べているので省略しますが、大事なことはカルシウムが年齢に関係なく不可欠な栄養素であるということと、カルシウム不足になると情操面でも影響が出てくることです。
短気で怒りっぽくなり、忍耐力が無くなってき、すぐ切れやすくなってくるようです。精神的な動揺が激しく感情の起伏が大きくなり、心の荒れが進むのも、カルシウム不足が関与していると言われています。転んだだけで骨折をする、視力が落ちる、姿勢が悪くなるなど、これらの体のおかしさは、食生活の影響なしには語れません。これらは高齢者のみでなく子供達にもみられるらしいのですが、枚数にいとまが無くなるので避けました。
さあ~、皆さん!高齢だから、加齢だからと諦めないで、規則正しい食事や運動、日光浴を多く浴びてどんどん(骨の貯金)をしていきましょう。
K/和子