古事記の世界
日本でも、この何十年間も触れることのなかった「古事記」について、その背景などを教えていただき感謝しています。
確かに、明治憲法の天皇主権の時代から、戦後の主権在民になって「皇室の伝統」を権威づけるような古事記も学校教育から完全に消え去ったように思えます。私も受験勉強でしか「古事記」を知らず、誰がどのような意図をもって制作した、あるいは内容そのものに立ち入ることもなく、日本人でありながら漫然と忘却の彼方へ追いやってしまっていたことを、海外に出てからこそ強く反省するようになってきました。古事記の2つの主題――天皇親権の統治のイデオロギーをー根底に秘めながら、“命”の賛歌をちりばめている構成はまさに「多元変奏曲」であり、講演を聞きながら「これはバッハのシャコンヌではないか」とまで感じました。先生の説明されているように、二律背反しながらもどこかで調和を保っている不思議な構成であるのが「古事記」であると知り、ますますその魅力に惹かれます。12月12日に予定されている木曜午餐会での「古事記朗読会」への期待がますます膨らんできました。
個人的には、日本書紀よりも古事記の方がもっと人間らしさを感じる様に思えます。語り部によって伝えられ続けてきた口伝の神話を初めて文章化、文字化した日本最古の書物をこれからも読み続けて行かなければ、という思いを強くした講演でした。ありがとうございました。宮坂先生の博識ぶりに改めて脱帽させられました。今後とも、木曜午餐会にご協力を頂けるよう心からお願いすると共に、今後のご活躍を期待しています。
木曜午餐会会長 新名 瑛
投稿
ハワイ出雲大社神職の宮坂 純氏が[古事記]の世界] の入門を解りやすくお話ししてくれました。
戦後の日本学校教育における神話の不在、その内容を教わることがないことになってしまい今や禁断の古典[古事記]とまで言われるようになっているそうです。
神話は確かに科学的、実証的な歴史ではありませんが、それは現代まで伝世している以上、古代を伝える最重要の資料でもあります。そして、それは知らず知らずのうちに現代にも影響を及ぼしている。
例えば時間概念(1週間は7日とはキリスト教の聖書から由来している)とか、空間概念、そして創作活動のイメージの源泉にもなっていると思われます。
[古事記]は、、太古の神々によって生み出された神聖な国土に神々が生まれ、神々の子孫である人の時代へと歴史が紡がれていく"日本"創生のエクリチュール(文字で書かれた文章)だと教わりました。
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メイコ儀間
12月12日に日本からの「古事記朗読家」を招いて、その詩を聞きます。みなさん、ご自由に参加してください。
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